春の研修会を実施しました!

 よく晴れた6月8日、倉吉市の名勝・小川氏庭園「環翠園」と西倉吉工業団地に新しくオープンした「アート格納庫M」の企画展を鑑賞しました。

 「環翠園」では虫よけバンドやシールなどを身に着けて蚊の対策をしっかりして出発。木戸を開けると新緑がまぶしい庭園が広がりました。東西約32㍍、南北約40㍍の広い庭園は池泉回遊式で、池には大きな亀島があり、周囲三方には築山が築かれ、どこから見ても庭の美しさが映えるように作庭されており、参加者らはスタッフの解説に一つ一つうなづいて、庭を堪能しました。庭を巡った後は小川家所有の古い上神焼など由緒ある抹茶茶碗で抹茶と特製の和菓子をいただき、ゆったりと過ごすことができました。参加者の中には何度も来ておられる方もおられ、「何度来ても、いつ来てもいいわ」と感想をもらしておられました。

 「アート格納庫M」は現代アートを展示する新しい形の美術館です。工業団地内ということで整備された「(株)丸十」さんの展示場という位置づけですが、立派な美術館です。倉吉市で一時制作活動をされていた故・原口典之さんの「Oil and Water」と「Untitled  FCS」は巨大な作品で、丸十さんの美術館にまさしく〝格納〟されたというイメージ。作家の原口さんは自ら作品について語ることはほとんどなく鑑賞者に感じてほしいという思いが強い方だったそうですが、丸十の学芸員さんの解説があってこそ、原口さんの人となりや作品に対する思いが分かり、作品への理解度が深まりました。作品鑑賞後は、丸十の岡野稔会長から、アート格納庫Mを整備した思いや今後の取り組みについての話を伺いました。

 倉吉には、鳥取にはなにもないと多くの方は言ったり、思ったりしていますが、古い歴史を感じられ心洗われる庭園があり、感覚を研ぎすますような現代アートを身近に感じられる場があったりといろいろなものがあります。鳥取県立美術館開館を機に、これらのものも一緒に知っていただけたらと思った1日でした。